韓国料理の物語
ひとさじで、家に帰れることがある
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皆さん、こんにちは。
これは、私たちのウェブサイトに書く初めての記事です。何から書こうかと考えていたら、ここで働き始めた頃のことが浮かんできました。そこで、韓国料理に触れるなかで、いちばん心に残ったことをお話ししたいと思います。お料理が届くまで、少しだけ私の話にお付き合いいただけたらうれしいです。
働き始めた頃、韓国料理店を見つけた韓国のお客さまの顔に浮かぶ喜びが、とても印象的でした。その表情に、どこか自分にも通じるものを感じました。言葉はわからなくても、そのうれしさはわかる気がしたのです。
お客さまの立場になって考えてみました。家から何千キロも離れた場所にいる。何日も知らない道を歩き、違う言葉を聞き、食べ慣れないものを味わっている。新しい場所を訪れるのは、もちろん楽しいことです。でも、ふと匂いがしてくる……母の台所で嗅いだ、懐かしい匂いが。
その瞬間、人はどんな気持ちになるのでしょう。
私なら、最初のひと口を食べる前から、きっと笑顔になると思います。
韓国のお客さまを見ていると、そんなことを考えます。目の前のキムチチゲやテンジャンチゲは、故郷の家で過ごしたどの夜を思い出させるのでしょう。誰の食卓、誰の声が浮かぶのでしょう。顔を見ているだけではわかりません。いつか向かい合って座り、聞いてみたいと思っています。
けれど、その喜びには、私にも覚えがあります。
マリアさんが作る料理を、イスタンブールにいる韓国のお客さまを一瞬だけ家へ連れ帰る、小さな魔法の薬と呼んだら大げさでしょうか。その答えをいちばんよく知っているのは、お客さまご自身でしょう。私の目に映るのは、長年作り続けてきた料理を変わらぬ丁寧さで用意する女性と、その食卓で懐かしい味に出会う人たちです。
マリアさんの秘密も、少しはここにあるのだと思います。
料理のレシピは覚えられます。材料を量り、何分火を通すかを計算することもできます。でも、大勢で囲む食卓でも母の料理だとわかる、あの小さな違いを説明するのは簡単ではありません。「母の作る味は、やっぱり違う」と、私たちはただそう言うのです。
ここで最初のひとさじを口にした韓国のお客さまも、心の中でまったく同じことを思っているのかもしれません。
もうお料理が届いたなら、これ以上は引き止めません。どうぞ、おいしく召し上がってください。
でも、いつか家から遠く離れた場所で、懐かしい料理の匂いに足を止めることがあったら、その瞬間を急いで通り過ぎないでください。ずっと恋しく思っていたあの夕べが、スプーンの先で待っているのかもしれません。
お母さんがそばにいるなら、抱きしめてあげてください。遠くにいるなら、できるときに声を聞いてみてください。私はこの文章を書きながら、母の料理を思い出していました。読んでいるうちに誰かの食卓が浮かんだなら、いつか、その食卓の物語も聞かせてもらえたらうれしいです。